小笠原・母島のラン(観察日 8月15~19日)

花友に同行して、遠路はるばる小笠原へ。東京からの距離は約1,000km、飛行機便だと約2時間、鹿児島へ行くのとそんなに変わらないが、船便しかなく、便数も少ないので、6泊(船中2泊、宿4泊)7日の長旅になる。
東京から父島までの所要時間は24時間、父島到着後、母島行きの船を待ち、2時間かけて母島へ着いたのは16時半だった。
結局、花観察を始めたのは、東京出発3日後の9時半だった。こんなに不便な場所は他にない。
まず、山に登る。登り始めて直ぐに、イモネヤガラの結実株があった。登山道沿いには花期が12月以降のムニンシュスランが多い。それにコクランも群落している。ここでは、コクランは外来種、コクランの生えているところには、ムニンシュスランがなかったので、影響を与えているのかもしれない。
イモネヤガラ(イモネヤガラ属VU)-小笠原ではイモランと呼ばれていたが、イモネヤガラに統一された。
 
暫く登ると、ハハジマホザキラン(オキナワヒメラン属EN)の自生地。花が終わっている株もあったが、花序の上部に咲き残っている株があった。
今まで、蕾の株しか見ていないので、今回、花を見たかったラン。花期を考えると、花が終わっているかもしれないと懸念していたが、見れて本当に良かった。
翌日、再訪して、また写真を撮った。時間をかけた割には、変わり映えしない写真しか撮れていないのが残念。
ハハジマホザキラン(オキナワヒメラン属EU)-小笠原固有種。唇弁が上に位置し、3裂する唇弁の側裂片が、耳状に蕊柱を取り囲むユニークなラン。花は小さいが、唇弁が濃紅紫色なので目立つ。
 
 
更に登ると、登山道から外れて、ホシツルランの植栽地が2か所あるが、花茎が立っている株はなかった。その先で長い急な階段を登り切り、やせ尾根に出ると間もなく、樹幹に着生した3株のオガサワラシコウランが咲いていた。
2株はやや見頃を過ぎていたが、1株は咲き始めだった。この時期に咲き始めが見れるとは意外だった。
・オガサワラシコウラン(マメヅタラン属VU)-小笠原固有種。近縁のシコウラン(マメヅタラン属CR)に比べると、花はずんぐりしていて側萼片も短く、合着している。背萼片、側花弁は、花色も違うし、形も異なる。
 
 
左がオガサワラシコウラン、右がシコウラン
 
ここで時間切れとなり、頂上には登らずに下山。そして、車で移動して、ホシツルランの植栽地へ。囲いの中で1株だけ咲いていたが、写真を撮るには暗すぎたため、翌日再訪することにした。
自生しているものもあるらしいが、立ち入り禁止になっているので、ホシツルランは、3か所ある植栽地でしか見ることが出来ないのが残念。
・ホシツルラン(エビネ属CR)-よく似ているツルラン(エビネ属VU)が、唇弁基部にある隆起が黄色であるのに対し、ホシツルランは白色。他にも中裂片の切れ込みが浅いことや、側裂片がより大きいこと等も相違点。距の形も違う。花はツルランの方がより密に付く。
 
左がホシツルラン、右がツルラン